電気は毎日の生活にかかせないインフラであり、毎月の固定費として電気代がかかっていますが、その中でどの家電が電気代を上げているのか気になるところです。
ここでは意外と電気消費量が多い家電をランキング形式でご紹介します。合わせて電力消費を抑える方法を家電別にご紹介しますので今後の電気代節約の参考にしてみて下さい。
電気消費量の多い家電とは?
まず、電力消費量の多い家電をランキングでご紹介します。
消費電力量第一位はエアコン
令和3年(2021年)度世帯当たり年間消費量の機器別構成
機器名 | 構成比 | 2009年の順位と構成比 | |
1位 | エアコン | 14.7% | 4位(7.4%) |
2位 | 冷蔵庫 | 14.3% | 1位(16.4%) |
3位 | 照明機器 | 13.5% | 2位(13.4%) |
4位 | テレビ | 9.4% | 3位(8.9%) |
5位 | パソコン | 3.9% | - |
出典:温室効果ガスインベントリオフィス/全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイトより
出典:経済産業省資源エネルギー庁/トップランナー基準の現状等について
JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)の調査では家庭での消費電力量の第一位は「エアコン」となっています。上位に入っているエアコン・冷蔵庫の他、電気ポット、温水暖房便座などの加熱・冷却機器が全体の40.9%と大部分を占めています。これは24時間常に動き続けるものが消費電力が高いという当然の結果と言えるでしょう。
そして2009年では「ネットワーク機器類」として分類されて1.1%だった「パソコン」が上位に入っている点も興味深い状況と言えます。IOTの進化により、家電のネットワーク化もこれから当たり前となってくるとネットワーク機器の電力消費量も今後上がってくると予想されます。
また、上位4機器は12年前と変わっていないという点からも、この機器についての使用方法を考えることが電気代の節約に大きな効果があるとも言えます。
ランキング上位家電の電気代は?
- パソコン
パソコンは使用環境や使用機器によって電気消費量が変化します。最近ではネットショッピングや調べもののためのブラウジングの他、ゲームなどの使用用途としても利用されますが、ゲームでの利用はパソコンに大きな負担をかけることになりますのでその分電気消費量も増えることになります。
パソコンの消費電力と電気代 | |||
消費電力 | 電気代(1時間当たり) | 電気代(8時間当たり) | |
デスクトップパソコン | 50~150W | 1~4円 | 8~32円 |
ノートパソコン | 20~30W | 0.5~0.8円 | 4.3~6.4円 |
ゲーミングパソコン | 280W | 7.5円 | 60.4円 |
出典:イーデス『パソコンの電気代はいくら?デスクトップやノートPCの消費電力と節約方法を紹介』
このようにノートパソコンは省電力性能が高く、ゲーミングPCはデスクトップと比べ約3倍の電気代がかかることになります。高性能なゲーミングPCは稼働するのに大きな電力が必要になることに合わせ、発熱が起こるため温度を下げるために冷却ファンを動かす必要があるためです。発熱は長時間の使用により起こりますので、できるだけ長時間の使用を避けることが電気代を抑えることにつながります。
- テレビ
テレビの電気消費量は主に「パネルの種類」と「大きさ」によって変わってきます。パネルは現在、「液晶パネル」と「有機ELパネル」が主流となっていますが、液晶パネルは3色(赤・青・緑)のカラーフィルタの後ろからバックライトで映像を映し出します。有機ELパネルは有機物に電圧をかけて自発光させるためバックライトが不要で薄型が可能となっています。
液晶テレビと有機ELテレビの1時間あたりの電気代(パナソニック製品) | |
4K液晶テレビ55V型(TH-55JX950) | 6.79円(消費電力219W) |
4K有機ELテレビ55V型(TH-55JZ2000) | 13.05円(消費電力421W) |
このように有機ELテレビは液晶テレビより電気代は約2倍となっています。また、当然ですが、画面の大きいものは小さいものより消費電力が増えますので、より電気代はかかってきます。
- 照明機器
照明器具は主に「白熱電球」、「蛍光灯」、「LED」の3種類が使用されています。蛍光灯の場合、1部屋あたりの年間電気代は約6,000円〜9,000円となっています。では種類別にそれぞれの電気代をみてみましょう。
電球の種類別電気代と製品寿命
1時間あたりの電気代 | 製品寿命 | |
白熱電球(YAZAWA長寿命シリカ60W形2P) | 約1.6円 | 約2,000時間 |
蛍光灯(パナソニックD形電球60形タイプ11W) | 約0.3円 | 約10,000時間 |
LED(パナソニックLED電球プレミアX7.4W) | 約0.2円 | 約40,000時間 |
※電力単価は1kWhあたり27円で算出
LEDは製品単価が他と比べ高額となりますが、電力消費量も少なく、製品寿命も長いので非常にコストパフォーマンスに優れています。
- 冷蔵庫
冷蔵庫は家電の中でも24時間毎日稼働していますので、年間にかかる電気消費量はとても大きくなります。冷蔵庫も大きさにより消費電力量は変わってきます。
冷蔵庫のサイズ | 年間消費電力量 |
200L~250L | 約360kWh |
300L~350L | 約350kWh |
400L~450L | 約250kWh |
500L以上 | 約240kWh |
このように冷蔵庫のサイズが大きいほど消費電力量は少なくなります。これは大型のものの方が消費電力を抑える役割のインバーターの性能が高かったり、断熱性能が高くなるためです。電気消費量を抑えようとしたときに小さい冷蔵庫にしたくなりがちですが大きな冷蔵庫のほうが省エネ性能が高い場合が多いので間違えないようにしましょう。
- エアコン
電気消費量が多い家電1位のエアコンの電気代は年間で15,000円〜60,000円と言われています。これは設定温度や部屋の大きさ、部屋数によって大きく変わってきますので、エアコンの消費ワット数で計算してみましょう。
例えば電力会社が定めた1kWhの電気料金が27円、エアコンの消費電力が800Wだった場合1時間あたりの電気代は
0.8kw×27円/kWh=21.6円/hとなります。そして1日5時間、1か月に20日使用した場合、21.6円/h×5h×20日=2,160円となり、一か月の電気代は2,160円となります。これが1台あたりとなりますので設置台数により電気代はさらに増えることでしょう。
家庭の電気代平均は?
世帯人数別の平均電気代
世帯人数 | 月間平均 | 年間平均 |
1人世帯 | 5,468円 | 65,616円 |
2人世帯 | 9,183円 | 110,196円 |
3人世帯 | 10,655円 | 127,860円 |
4人世帯 | 11,376円 | 136,512円 |
5人世帯 | 12,423円 | 149,076円 |
6人以上世帯 | 14,852円 | 178,224円 |
こちらが平均的な電気代となっていますが、ご自身の支払い金額と比べてどうでしょうか。地域や生活スタイルによって変わりますので参考程度となりますが、この金額より多く電気代がかかっているようなら電気の使い方を見直してみる必要があるかもしれません。
世帯数でみると単身から2人に増えるときが一番差額が大きくなります。