冷蔵しないものリスト〔後編〕

冷蔵しないものリストの後編を解説します。冷蔵庫に入れないものリストとしてパン、お米、たまご、麵類、ペイストリー、ビスコッティなどのお菓子があります。これらのものはどのような保存方法が望ましいのか解説します。

冷蔵しないものリスト

冷蔵庫に入れる?入れないで悩んだことはありませんか。ここでは、冷蔵しないものリストとしてパン、お米、たまご、ペイストリー、ビスコッティなどのお菓子についてみていきましょう。

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冷蔵しないものリスト:パン

パンは冷蔵保存しない方がおいしく食べられるでしょう。一般的なパンは小麦粉を使用して作られています。小麦粉の主な成分は糖質(でんぷん)、たんぱく質(グルテン)です。この2つの成分の質と量によっておいしいパンになると言われています。

でんぷんは水分を含むことでほぐされてやわらくなり、水分が少ないと固くなります。グルテンも、でんぷんと同じように水分が少ないと硬化するため水分を蒸発させないように密封した保存をすることが必要です。

密封して冷蔵保存しても、でんぷんの劣化を抑えることができないと言えます。そのため、おいしいパンを食べたいのであれば、冷蔵保存はしない方がよいと言えるでしょう。

でんぷんの劣化は温度の影響を受けやすく、0〜4℃が劣化の進行を早め、0℃以下は劣化するスピードが緩やかになると言われています。そのため、パンを冷蔵庫で保存するのであれば、密封容器や袋に入れて冷凍保存がおすすめです。

具体的には、まずは食べやすいサイズにカットし、1枚ずつラップで包み、密封容器や袋に入れてから冷凍保存しましょう。

パンのすべてが冷凍保存に向いているわけではありません。生クリームなどの油脂を使用したパン、フルーツ・野菜や菓子パンや惣菜パンは冷凍保存に不向きと言えます。生クリームやマヨネーズなどの油脂を使用したパンは、解凍した時に油脂と水分が分離し、水っぽくなり、また風味が失われるため、おいしく食べられないことがあります。

惣菜パンの場合は、中身によって保存方法が異なり、イチゴなどの生の果物やレタスやトマトなどの生野菜を使ったパンは、解凍後、おいしさを失いやすく、冷凍保存には向いていないと言えるでしょう。

冷蔵しないものリスト:お米

お米は冷蔵しないものリストに上げられます。しかし、お米は高温多湿の環境になると虫が発生しやすくなると言われています。それを防ぐために冷蔵保存が向いているとも言えるでしょう。温度が保てて、湿度が抑えられる冷蔵庫の野菜室がお米の最適な保存場所と言えます。

常温で保存する場合は、温度と湿度が低く、直射日光が当たらない場所での保管がベストです。また、お米は、空気に触れると水分が失われて乾燥するため密閉容器に入れるとともに、野菜室の中でも冷気が直接当たらない場所を選んで保管しましょう。

さらに、冷蔵保存したお米は、炊いたり蒸したりする時には、より長い時間が必要になることがあります。そのため、お米を冷蔵保存する際はその点にも注意が必要です。

冷蔵しないものリスト:たまご

たまごは常温で販売されていて、冷蔵しないものリストに上げてもよいでしょう。常温で販売されているたまごは、冷蔵しなくても良いと言えそうですが、ほとんどの方が冷蔵庫に保管しています。それはたまごを安全に食べたいからなのでしょう。

たまごは常温でも保存できます。しかし、サルモネラ菌の発生や増殖をさせないためには冷蔵保管がおすすめです。また、冷蔵庫のドアのポケットに収納する時には、ドアの開閉でたまごにヒビが入らないように、買ってきた時のパック状態で入れるとよいでしょう。

冷蔵しないものリスト:麵類

うどん・そば・パスタ・中華麺などの乾麺も冷蔵しないものリストに上げられます。しかし、麵類でも生麺(ラーメン、うどん)で常温保存と記載がない場合は、冷蔵保存することが必要です。常温保存の記載があれば、直射日光を避けて、高温多湿の環境にならない場所に保存すればよいでしょう。

また生麺(そば)は、傷みやすいため冷蔵か冷凍保存がおすすめです。冷蔵でも冷凍でもどちらも、ペーパータオルなどで1食分ずつ包み、その上からラップをした状態で保存するようにしましよう。乾燥させたうどん、そば、パスタ、ラーメン、素麺、冷麦などは、開封前であれば、直射日光を避けて、高温多湿の環境にならない場所に保存します。開封後は高温多湿の環境になりやすい夏場での保存場所には注意が必要です。

冷蔵しないものリスト:お菓子

スイーツには、冷蔵しないものリストに上げられるものと上げられないものがあります。

スイーツは、作り方や使う材料によって日持ちが異なります。よく焼かれたものや水分が少ない材料の方が長持ちになる傾向です。また、冷蔵庫で保存することで日持ちが長くなるスイーツもあります。

スイーツに使用する油やバターも日持ちに影響し、油やバターを多く使用するスイーツは、油分が多いため日持ちが短くなる傾向があります。例えば、ゼリー、プリン、生クリーム、カスタードクリームなど水分を多く含んでいる材料は、水分から劣化がはじまり、長持ちしないでしょう。

またよく焼かれたクッキー、パウンドケーキ、ブラウニー(焼いた濃厚なチョコレートケーキ)、ビスコッティ(ザクザクとした硬い食感のビスケット)などは、火がよく通っていることから保存しやすく、長持ちする傾向です。

冷蔵しないものリスト:その他

ここでは、冷蔵しないものリストに上げられるナッツ類、レトルト食品についてみていきましょう。ナッツは素焼きや生があり、賞味期間が異なり、保存方法も変わると言えます。

素焼きのアーモンド、ミックスナッツ、クルミなどは常温で100日ほど保存しても味が変わることが少ないと言われています。一方生のナッツは、高い温度と湿気に弱いのが特徴です。ナッツには天然由来の油脂が含まれているため空気に触れて、湿気をおびると傷みやすくなります。そのため、できるだけ空気を抜いた状態で保存しましょう。また直射日光を避けることも大切です。

ナッツは高い温度によって酸化しやすくなり、味が落ちることがあります。それを防ぐには冷蔵庫に保存することです。特に高温多湿になりやすい梅雨の時期や夏場は、できるだけ冷蔵庫に入れて保管した方がよいでしょう。

レトルト食品も冷蔵しないものリストに上げられます。気密性のある袋や容器で作られているレトルト食品は、基本的には暑くても寒くても常温保存が可能です。味の変化が気になる方は、直射日光を避け、高温多湿にならない環境下で保存するとよいでしょう。

冷蔵庫での保管も可能ですが、水分が分離して、味が損なわれることがありますので、常温保存がおすすめです。水分が分離しても、しっかり加熱すれば品質に問題はありません。

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まとめ

冷蔵しないものリストに上げられるパンは、水分が失われると、おいしさに影響を受けるため冷蔵保存は避けた方がよいでしょう。しかし、生の果物や生野菜を使ったパンは、品質を守ることと、おいしさをキープするために冷蔵保存がおすすめです。

お米は冷蔵しないものリストに上げられますが、高温多湿の環境になると虫が発生しやすくなるため冷蔵保存が向いているとも言えます。つまり、季節に対応した保存がおすすめです。

たまごは常温でも保存できますが、菌を発生させないために冷蔵保存しましょう。生麺(ラーメン、うどん)は常温保存の記載がなければ冷蔵保存し、記載があれば、直射日光を避けて、高温多湿の環境にならない場所に保存。スイーツなどのお菓子は、中身の材料によって保存方法を変えることが必要です。素焼きナッツは常温保存、生のナッツは冷蔵保存が望ましいでしょう。レトルト食品は常温で長期保存が可能です。

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