ひと昔であれば、お風呂の残り湯を洗濯で使う場面はよく見られていました。しかし近年は、衛生的によくないという考えから、洗濯機にお風呂のお水を使う方が減っています。果たして、本当に衛生面で問題があるのでしょうか。この記事では、洗濯機にお風呂のお水を使うことについて解説していきます。
目次
洗濯機にお風呂のお水を使っても大丈夫!
「洗濯機にお風呂のお水を使うってどうなの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。たしかにお風呂のお水には垢やゴミが浮いているため、不衛生に思って当然です。しかし、お風呂のお水を洗濯に使ったからといって、衣類にバイ菌が付いたり、汚れがひどくなるわけではありません。
そもそも洗濯機のなかは、汚れた衣類を入れますので、衛生的に何ら問題がないそうです。むしろ、洗濯機にお風呂のお水を使うことには、たくさんのメリットがあります。洗濯機にお風呂のお水を使うメリットを理解すると、試す価値があると思えるはずです。
洗濯機にお風呂のお水を使うメリット
洗濯機にお風呂のお水を使うことは、衛生的に問題がありません。また、他にもいくつかメリットがあるため、おすすめの洗濯方法といわれています。ここでは、洗濯機にお風呂のお水を使うことにどんなメリットがあるのかをみてみましょう。
メリット①:水道代が節約できる
最近は、節水性能が高い洗濯機が増えていますが、それでも8キロタイプの洗濯機の1回で使う水の量は約120リットルとされています。一方でお風呂に貯めるお水は、平均200リットルとされており、お風呂のお水を洗濯に再利用することで、洗濯1回分の水を節約できることになるのです。
水120リットルの水道代は全国平均30円という情報をもとに計算をすると、毎日洗濯をした場合は1ヶ月に約1000円、年間12,000円の節約に繋がることがわかります。このように、洗濯機にお風呂のお水を使うことは、水道代の節約に繋がります。物価が高騰している今だからこそ、お風呂のお水を再利用することが家計を助けるのかもしれません。
メリット②:衣類の汚れが落ちやすくなる
衣類に付着している皮脂や砂汚れは、水よりお湯で洗うとよく落ちます。また洗濯用洗剤は、水よりお湯に溶けやすく、洗浄力が高まるそうです。お風呂はお湯を使っていますので、入浴直後のぬるま湯で洗濯をすると、より衣類の汚れを落とすことができるメリットがあります。衣類の汚れがひどい場合など、状況に応じてお風呂のお水を使ってみるといいのかもしれません。
メリット③:環境にやさしい
お風呂の水を洗濯に使って節水することは、環境にやさしい行為です。貴重な水資源が守られるうえに、海や川、土壌が汚れるリスクを減らすことに繋がります。実際に、各方面でお風呂のお水を再利用する取り組みは増えてきています。
洗濯機にお風呂のお水を使う際の注意点
お風呂のお水を洗濯機で使うと、水道代の節約や環境保護のメリットがあります。しかし、注意すべき点があるのも事実です。どのような点に注意が必要なのか、以下の2つを見てみましょう。
注意点①:すすぎでお風呂のお水を使うのはNG
お風呂のお水は、皮膚や垢などの雑菌が含まれていますが、洗濯する分には問題ありません。しかし、洗濯のすすぎでお風呂のお水を使うと、せっかく洗剤できれいになった衣類に雑菌が付着してしまいます。衣類に嫌な臭いがつくなど、不快に感じてしまうかもしれません。お風呂のお水は、できるだけ洗濯のみで再利用しましょう。
注意点②:入浴剤が溶けたお風呂のお水を使うのはNG
入浴剤を使ったお風呂の水は、洗濯槽を傷つけたり、衣類に色や臭いが移る可能性があります。大切な衣類がダメになるのを防ぐためにも、入浴剤入りのお風呂のお水はおすすめしません。しかし、入浴剤の種類によっては、洗濯で再利用することが可能な商品もあります。入浴剤のパッケージに書かれている説明欄を読んで、洗濯機に再利用できるかどうかを確認しましょう。
洗濯にお風呂の水を使う際のおすすめアイテム
ここまで読んで、いくつか注意すべき点はあるものの、お風呂のお水が洗濯機で再利用できることがわかったと思います。水道代の節約・環境保護の観点からも、今日からお風呂のお水で洗濯をしてみてください。続いては、洗濯にお風呂の水を使う際の便利なアイテムを紹介します。
おすすめアイテム①:給水ポンプ
お風呂のお水を洗濯機で再利用する場合は、お風呂から洗濯機までお水を移し替えなければいけません。しかし、バケツや風呂桶で何度も水の入れ替えをするのは大変です。そこでおすすめのアイテムが、給水ポンプになります。給水ポンプは、お風呂の水を専用のホースを使って自動で洗濯機に移してくれる優れた製品です。給水ポンプの価格は、平均2,000〜3,000円程度で販売されています。お風呂のお水で洗濯をされる方は、給水ポンプを使ってみてください。
おすすめアイテム②:お風呂のお水専用の清浄剤
お風呂のお水が衛生的に問題ないとわかっていても、洗濯に使うとなると気になってしまうでしょう。とくに小さなお子様がいる方は、皮膚疾患などの病気が気になって「洗濯にお風呂の残り湯を使っていいのか心配だな」と迷っても不思議ではありません。もし、お風呂のお水の衛生面が気になる場合は、お風呂のお水専用の清浄剤を使ってみてください。
清浄剤は、お風呂の残り湯に入れるだけで、雑菌や汚れを分解してきれいな水に戻してくれます。衛生的な心配がなくなり、安心して洗濯機の水として再利用することができるはずです。清浄剤を使うと、2日目のお風呂のお水として使うことも可能になるため、水道代が大幅に節約できます。
おすすめアイテム③:湯垢ネット
家族全員が入浴した後のお湯を見たことがありますか?お湯の水面には、皮脂・垢・髪の毛・埃などが浮かんでおり、お世辞にもきれいな水とはいえません。たとえ衛生的に問題がなくても、洗濯用の水として使う気分になれないでしょう。そこでおすすめのアイテムが、湯垢ネットです。湯垢ネットは、魚網状で湯垢をすくうタイプや、巾着状のお風呂に浮かせて湯垢を吸着させるタイプなど、豊富な種類があります。
湯垢ネットで湯垢をきれいに取り除いて、先ほど紹介した清浄剤を入れることで、きれいなお水として洗濯機に入れることができるはずです。湯垢ネットは、1,000円前後で売られています。入浴時にも使えますので、ご家庭に1つは持っていてもよいアイテムといえます。
まとめ
「衛生的にお風呂のお水を洗濯に使えない」と考えている方は多かったと思いますが、洗いの段階であれば、何ら問題はありません。むしろ水道代の節約・洗浄力の高さが増して、衣類をきれいに洗うことができるでしょう。実際に、お風呂のお水を再利用することで、水道代が年間約1万円ほど節約できるといわれています。今回紹介したおすすめアイテムを活用して、家計にも環境にもやさしい洗濯をはじめてみてください。