一家に1台といっても過言ではないほど、多くの人が電気ケトルを利用しているのではないでしょうか。しかし、あっという間にお湯を沸かしてくれる便利な道具だからこそ、電気代が気になるはずです。この記事では、一般的な電気ケトルの電気代や、電気ケトルの節電術を中心に紹介します。「少しでも電気代を抑えたい」と考えている方は、最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
電気ケトルの電気代はどれくらい?
電気ケトルの節電術を紹介する前に、電気ケトルの平均的な電気代を解説します。短時間でお湯が沸かせる電気ケトルは、消費電力が大きくなります。メーカーや容量の違いで多少異なりますが、一般的に電気ケトルの消費電力は1300kWとされており、電子レンジ・オーブントースター・ホットプレートと同じレベルの消費電力です。
そこで、東京都の電気料金を基準に、消費電力1300kWの電気ケトルで1回お湯を沸かす際に必要な電気代を試算してみます。電気代を割り出す計算式は、以下の通りです。
【①電力量を割り出す】
電力量は、消費電力(W)×時間(h)で算出します。
最大1リットルのお湯を沸かせる電気ケトルの場合は、1回約5分の時間がかかります。上記の計算式に当てはめると、1300kW×0.083時間=107.9Whが電力量になります。
【②割り出した電力量をもとに電気代を算出する】
①で割り出した107.9WhをkWhへ変換したうえで、東京都の1kWあたりの電気料金27円で試算すると、0.1079kWh×27円=2.9133円が実際に電気ケトルを使った際の電気代になります。
瞬時にお湯を沸かしてくれることから電気ケトルの電気代は高いと思われがちですが、1回約3円と考えると、案外安いといえるのではないでしょうか。地域や契約している電力会社で1kWあたりの電気料金は異なりますので、電化製品の電気代が気になる方は、一度試算してみてください。
電気ケトルと電気ポットの電気代はどっちが安い?
電気ケトルと同じように、電気ポットもお湯を沸かすことができる家電製品です。しかし電気ポットは、お湯を沸かすことに特化した電気ケトルと異なり、沸騰したお湯を長時間保温することができます。また70℃〜98℃間で温度調整することが可能となっているため、利便性でみると電気ケトルより使い勝手がよいともいわれています。そのため、電気ケトルと電気ポットのどちらを使うかで迷っている人は多いのですが、実際に電気代はどちらが安いのでしょうか。
先ほど、電気ケトルで1回お湯を沸かす際は約3円の電気代がかかると解説しました。そこで、電気ポットで1リットルのお湯を沸騰させる場合の電気代を算出してみました。結果は以下の通りです。
①電気ポットでお湯を沸かす際の電力量
象印の電気ポット2.2リットルタイプ【CD-WN22】の消費電力は700Wです。1リットルのお湯を沸かすまでに約10分かかることから、700W×0.166h=116.2kWの電力量になります。
②割り出した電力量をもとに電気ポットの電気代を算出する
①で割り出した116.2WhをkWhへ変換したうえで、東京都の1kWあたりの電気料金27円で試算すると、0.1162×27円=4.48円が実際に電気ポットでお湯を沸かす際にかかる電気代です。しかし、電気ポットは保温機能がありますので、保温時間が長くなるほど電気代は加算されます。お湯を沸かす電気代+保温にかかる電気代を合わせて、平均12円前後の電気代がかかるそうです。
電気代だけで考えると、電気ポットより電気ケトルの電気代が10円近く安いといえます。とはいえ、電気ポットの保温機能はとても便利です。状況に合わせて電気ケトルと電気ポットをうまく使い分けると、電気代を抑えつつ快適に過ごせるのではないでしょうか。
電気ケトルのおすすめ節電術
電気ケトルの具体的な電気代がわかったと思いますが、さらに節電する方法があります。ここでは、電気ケトルの節電術を解説します。普段の生活の中で、簡単に電気ケトルの電気代が抑えられる方法です。ぜひ試してみてください。
節電術①:使わないときはコンセントを抜く
電気ケトルを使わないときは、コンセントを抜いて保管しておきましょう。電気ケトルを含めてすべての家電製品は、使用していなくてもコンセントを繋げているだけで待機電力がかかります。待機電力の電気代は微々たる額ですが、ちりも積もれば山となるという言葉の通り、年間待機電力の電気代は大きいといわれています。
実際に、ひと世帯あたりの年間待機電力量は平均228kWhとされており、金額にして6,156円の電気代がかかっているそうです。少しでも電気代を抑えるためにも、電気ケトルを使わないときはコンセントを抜いて、待機電力を抑えましょう。
節電術②:料理の下処理や茹で物を作る際に役立てる
お茶やコーヒーを飲むためだけに電気ケトルを使うのではなく、料理の下処理や茹で物を作る際に役立てると省エネに効果的です。電気ケトルであれば、最大約5分程度でお湯が沸きますが、ガスコンロやIHコンロでお湯を沸かすと10分程度かかるため、電気代やガス代を半分に抑えることができるのです。
これらの理由から、野菜の下処理や麺を茹でる際は、まず電気ケトルで必要な分だけのお湯を沸かして鍋に戻して、調理を進めてみてください。電気ケトルの電気代だけではなく、家庭の電気代やガス代が抑えられますので、大きな節電効果が得られるはずです。
節電術③:必要な量だけ沸かす
電気ケトルでお茶やコーヒー、カップラーメンを作る際は、必要な分だけの水を加熱させましょう。多くの人は、電気ケトルを使う際に必要以上のお湯を沸かす傾向があるようですが、沸騰させる水の量が多いほど加熱に時間がかかり、電気ケトルの電気代が高くなります。
たとえば、電気ケトルでコーヒー1杯(140ml)のお湯を沸かす時間は1分であり、必要な電気代は0.5円です。しかし、電気ケトルで1リットルのお湯を沸かすと3円かかりますので、コーヒー1杯分の量でお湯を沸かせば、2.5円の節電ができる計算になります。また、電気ケトルは保温機能がないタイプがほとんどですので、必要以上のお湯を沸かして余らせてしまうと、水道代が無駄になってしまいます。
電気代と水道代の両方を節約するためにも、必要な分だけのお湯を沸かすようにしてみてください。
節電術④:こまめに清掃をする
どれくらいの頻度で電気ケトルの洗浄を行っていますか?「お湯を沸かすだけだから滅多に洗っていない」という人は多いのではないでしょうか。そもそも電気ケトルとは、電気によって発生させた熱で水を加熱する仕組みになっています。電気ケトルの内部を見るとわかりますが、底が金属製になっており、金属部分に錆や汚れが溜まると熱伝導率が悪くなるのです。
お湯が沸くまでに時間がかかるようになり、電気代も高くなります。毎回洗剤を使ってきれいにする必要はありませんが、使用後は乾いたタオルで水気を取り除いて保管しましょう。
まとめ
電気ケトルの一般的な電気代や、電気ケトルの節電術を中心に紹介しました。1回の使用で約3円と、思いのほか電気代が安いことに驚いた人は多いのてはないでしょうか。しかし、少額であっても年間を通せば大きな金額になります。今回紹介した節電術を参考すれば、電気代だけではなく、ガスや水道代を抑えることに繋がります。自分に無理のない方法で、節電を頑張ってみてください。