解凍時のラップのかけ方講座〔後編〕

前編では解凍するときのラップのかけ方などを紹介しましたが、後編ではラップの特徴や食材ごとに適しているラップなどを紹介していくため、よりラップの性質を知り、効果的に使いたい人は参考にしましょう。

ラップの素材ごとの特徴を知ろう

ラップはさまざまなメーカーが販売していますが、種類別に分けることができることを知ってるでしょうか。一見ラップはどれも同じと考えてしまいやすいですが、素材が違います。そのため、見た目は同じでも使用されている素材が違えば、使い方や優れていることも変わってきます。したがって解凍時にラップを使用するのであれば、解凍することに適している素材が使用されているラップなのかを知るようにしましょう。

次に、ラップの素材について紹介し、特徴やメリットなども解説します。何気なくラップを使っている人も多いと思いますが、素材ごとの特徴を知らない場合も多いのではないでしょうか。

ポリ塩化ビニリデン

ポリ塩化ビニリデンと聞いてもピンと来ない人が大半ではないでしょうか。しかし、今まで一度は手に取ったことや使用したことがある素材でもあります。その理由は家庭用のラップの多くはこのポリ塩化ビニリデンの素材で作られているからです。代表的なラップには「サランラップ」や「クレラップ」などがあります。ポリ塩化ビニリデンのラップの特徴は酸素ガスが通りにくいこと、水分や匂いを通さないことです。

酸素ガスは食材を酸化させてしまう原因であり、酸化することは食材が傷みやすくなることを意味しています。酸素ガスが通りにくいことは食材の酸化を防ぎ、鮮度を保つことができます。また、水や匂いを通しにくい特徴もあり、食材が乾燥してしまったり、他の食材に匂いがついてしまうことを防いでくれます。

塩化ビニル樹脂

塩化ビニル樹脂のラップは主に業務用のラップとして使われていることが多く、飲食業であれば使っている場合が多いです。しかし、飲食業と関わりがないと塩化ビニル樹脂のラップをお目にかかることはほとんどないでしょう。上記で紹介した家庭用のラップとは使い勝手や性能に違いがあります。例えば、伸びやすくカットしやすいことや耐冷・耐熱に優れていること、破れにくいことなどです。

そのため、見た目はほとんど違いはなくても実際に手に取って使うことでポリ塩化ビニリデンのラップとの違いが分かりやすいです。ポリ塩化ビニリデンのラップはカットしにくい場合が多く、各メーカーがカットしやすいように刃の素材やデザインにこだわっています。しかし、塩化ビニル樹脂のラップはカットしやすく、手間もかかりません。そのほかに耐冷や耐熱温度に優れているので食材を冷凍したり、解凍するときにも使用することが可能です。

ポリエチレン

ポリエチレンのラップはポリ塩化ビニリデンのラップと比べると性能が劣っています。しかし、価格が安く、環境に優しい特徴があります。そのため、ラップのコストを削減したいと考えているのであれば、ポリエチレンのラップを購入してはいかがでしょうか。また、ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニル樹脂のラップは燃やすと有害な物質でもあるダイオキシンが発生してしまうリスクがあり、環境に優しい素材とは言えません。

しかし、ポリエチレンのラップはダイオキシンなどの有害な物質が出にくいため、環境のことも考えたいのであれば、ポリエチレンのラップを購入しましょう。水分を通しにくいですが、酸素は通しやすい特徴があるため、食材に合わせて使用するかどうかの判断をしましょう。最近は環境問題が注目され始めているので、ポリエチレンのラップも今後増えるのではないでしょうか。

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解凍方法別のラップの役割

解凍するときにラップを使用することがありますが、解凍方法によってラップが果たす役割が違ってきます。また、解凍方法によってはラップをかけない方が良いと言われている場合もあります。次に、解凍方法別のラップの効果について紹介します。

電子レンジによる解凍

電子レンジによる解凍は一番行われる解凍方法ではないでしょうか。短時間で解凍できるだけではなく、手間もかからないメリットがあります。電子レンジで解凍する場合はラップをしたほうが良い場合としない方が良い場合があります。器などに入っている食材や料理を解凍する場合はラップをすることをおすすめします。特に、温めると飛び跳ねてしまう可能性がある場合はラップをかけましょう。

油物を解凍する場合はラップを外して解凍することをおすすめします。前編でも紹介しましたが、ラップにも耐熱温度があるため、ラップをしたまま電子レンジで解凍する場合は注意しましょう。

自然解凍

自然解凍とは常温のまま解凍する方法であり、時間はかかりますが、電子レンジなどは使用しないので電気代なども必要ありません。しかし、急いで解凍して料理をする時にはおすすめできない方法です。自然解凍する場合はラップは使用しない場合が多いです。ラップをしたまま、自然解凍をしてしまうと食材によって違いはありますが、ラップの内側に水滴がついてしまいやすいです。その水滴が食材につくことで雑菌が繁殖してしまったり、味が薄くなってしまう可能性があります。

その代わりに自然解凍しているときに水分が抜けてしまうことを防ぐので、乾燥を抑えることができます。

冷蔵解凍

冷蔵解凍とは、冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍する方法です。冷蔵庫は0度前後に設定されていることが多く、時間はかかりますが、冷凍している物を入れると解凍することができます。冷蔵解凍するメリットは解凍している時に食材が傷んでしまうことを防ぐことが可能なことです。また、ドリップが出にくいメリットもあります。そのため、肉類や魚類を解凍する方法としては適しています。

湯煎

湯煎とはお湯で解凍する方法です。一般的な湯煎での解凍方法は鍋などに水を入れ、沸騰させます。その中に保存袋などに入れた冷凍食品をお湯の中に入れて解凍します。比較的早く解凍することができるメリットがありますが、長く湯煎しすぎてしまうと熱が入ってしまう可能性があるので、解凍時間がシビアになりやすいです。湯煎といっても冷凍食材を直接お湯に入れる方法ではないので、ラップに包むだけでは水が入ってしまうので、ラップを使用することはおすすめできません。

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食材別のおすすめのラップ

冷凍するときにはラップをかけることが多いですが、食材によってラップの種類を変えることをおすすめします。上記でも紹介したようにラップの素材によって性質が異なるため、食材によっておすすめのラップも変わります。次に、食材別のおすすめのラップを紹介します。おすすめのラップを使用したほうが鮮度が維持されやすいです。

魚や肉類

肉類や魚類は鮮度が重要になる食材であるため、酸化を防ぐことが重要になります。酸化は空気に触れると進行しやすい現象であるため、通気性に優れていないラップがおすすめです。ポリ塩化ビニリデンは空気を通すことがないので酸化を防ぐことができ、肉類や魚類の鮮度を保ちやすいです。また、魚類や肉類は匂いも出やすい食材であるため、匂いが拡散しないこともラップに求められますが、ポリ塩化ビニリデンは空気を通しにくいので匂いも広がってしまうことがありません。

野菜類

魚類や肉類は酸化を防ぐことが鮮度を保つことにつながりますが、野菜類の場合は空気に触れていても鮮度が低下してしまうことはほとんどありません。その代わりに野菜類からはエチレンガスと呼ばれている気体が放出され、鮮度を低下させてしまう原因になります。そのため、空気を通さないポリ塩化ビニリデンのラップをかけてしまうとエチレンガスによる影響を受けやすいです。野菜類をラップかけるのであれば、通気性に優れているポリエチレンのラップがおすすめです。

まとめ

冷凍した食材を解凍する時のラップのかけ方以外にも、食材に適しているラップを使用しましょう。ラップの見た目は同じであるため、素材の違いに気付きにくいですが、違いはあります。ラップの種類によって使用するおすすめの食材も変わるため、適したラップを使用して冷凍保存するようにしてはいかがでしょうか。

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