ご飯を炊く前に氷を入れると…

「ご飯を炊く前に水と一緒に氷を入れるとご飯が美味しく炊ける」という話を聞いたことはありませんか。
ご飯は本来お水を使って炊くものですが、氷をプラスすることでご飯の炊きあがりに変化が出てきます。
その理由はなぜなのか?

「今回はご飯を炊く前に氷を入れるとどうなるか?」というテーマでご飯の秘密に迫ってみました。
おいしいご飯を食べるためのちょっとしたコツもご紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです。

おいしいご飯を炊く前のキホン

ご飯を炊くときに氷を入れる話をする前に、まずはご飯を炊くための基本的なルールについてのお話です。
普段からご飯を炊くときに「これをきっちりやっていれば間違いのないおいしいご飯が炊ける」、という基本のルール。
土鍋や圧力鍋でご飯を炊いているという方もいらっしゃると思いますが、
ここでは炊飯器を使ってご飯を炊くときの工程についてしっかりみていくことにしましょう。

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①お米を正しく計る

お米を計る時には必ずお米用の計量カップを使います。
計量カップにお米を入れたら軽くゆすってお米を慣らします。
それから菜箸などを使って摺切りして余計なお米を落としましょう。

②お米を素早く洗う

お米を洗うにはとにかくスピードが大事!

1・大き目のボールに水をはり、お米を入れてさっとかき回したらお水を一気に捨てる(これを2~3回)

 2・お水を軽くきって優しく10~20回かき混ぜるように洗い、水で汚れを流す(これを2~3回)

 3・しっかり水気をきる

お米を洗う工程はこれだけですが、とにかく手早くやるのが最大のコツです。
お米から出る濁った水に長時間つけおくとせっかく洗ったお米のぬかの匂いや汚れが戻ってしまうので、
洗い終わるまではつけおきは禁止ですよ。

③しっかりお米に吸水させる

お米を洗って水気をきったら今度は吸水です。
吸水の目安は夏場や湿気の多い時は30分程度、冬場や乾燥の多い時期は60分以上と覚えておきましょう。

古米や無洗米を使う時には吸水時間を長めに取らないとお米にお水が浸透していきません。
余裕があれば2時間程度水に浸しておくとしっかりと吸水ができますよ。

④お水を正しく計る

ご飯を炊くときに使用するお水はお米の1~2割増しの量が基本です。
炊飯器で普通炊飯モードを使用する場合ならお米1合に対して水は200ml。

炊飯器の目盛りはあくまで目安なので計量カップできっちり計った方が正確な量のお水になります。
新米を炊く場合にはお米の中の水分量がやや多めなので10mlほど少なめに。
古米や無洗米の場合はお米の中の水分量が少ないので、10mlほど多めにしてみるとちょうどよい硬さで炊き上がりますよ。

ご飯を炊く前に氷を入れるとおいしくなる!?

ご飯を炊くための準備が正しくできたらいよいよ炊飯です。
「ご飯を炊く前に氷を入れるとおいしくなるの?」の正解は・・・〇です。

ではどうして氷を入れるとご飯が美味しく炊けるのでしょうか。
その理由と氷を入れる時のポイントについて見ていくことに章ましょう。

なぜ氷を入れると美味しくなるの?

お米の中に含まれるデンプンの成分は加熱して80℃を超えると糖分に変わります。
この糖分が増えることによってお米の味は甘みが強くなり味わい深いものになるわけです。
つまり温度の上昇を緩やかにして80℃になるまでの時間をより長くすることができれば、
お米の甘さがより引き立って美味しいご飯が炊き上がるということ。

お水が冷たければ冷たいほど温度が上がるのには時間がかかるため、
常温のお水を使うより氷を入れる方がお水は冷たくなりますね。これがご飯を炊く前に氷を入れる理由です。
お水やお米自体の味も大事ですが、お水の温度も美味しいご飯を炊くためにはとても重要なことなんです。

氷はたくさん入れればよいということではない

「お水は冷たい方がいい!」といっても、ご飯を炊くための水分の全てに氷を使うというわけにはいきません。
炊飯時に使う氷の量にも適量があるので、これを守ることによってより美味しいご飯へと近づきます。

ご飯を炊く前に入れる氷の量はお米1合に対して2~3個程度。
氷を入れることでお水の入れ過ぎになってしまうとご飯が柔らかくなってしまうので、
お水の計量の時に一緒にカップに入れておくと正しい量が計りやすいです。

氷は特別なものでなくても製氷機で作った普通の氷でOK!
炊く直前に氷を入れる場合には事前にお水の量を10ml程度減らしておくといいですよ。

氷プラス冷水がおすすめ

ご飯を炊くときのお水は冷たい方が良い、ということは「氷以外のお水も冷たい方が良い」ということです。
冬場は水道水もとても冷たいので水道水を使っても問題はありません。

しかし夏場は水道のお水も外気の影響で温まってしまっているので、
出来れば炊飯に使用するお水は冷蔵したものを使いましょう。
ペットボトルなどに水を入れてあらかじめ冷蔵庫で炊飯用のお水を冷やしておくのがおすすめです。
せっかく冷やしておいた水が温まらないように吸水時に冷蔵庫に入れておくと更に良い状態になりますよ。

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氷を使う以外にもご飯をおいしくする方法は?

氷を使ってお水を冷たくすることでおいしいご飯が炊ける、ということはお分かりいただけたと思います。
でも氷がなかったら?その時はどうしたらいいのか?
ここで氷を使う以外にもちょっとしたひと手間でご飯がおいしくなる方法をご紹介していきたいと思います。

お米の保存は冷蔵庫で

お米は湿気と高温を嫌います。
冷蔵庫の真横やシンクの下に米びつを置いているご家庭を見かけることがありますが、お米のことを考えたらこれはNGな行動。

一般的なご家庭の場合でしたら理想は冷蔵庫の野菜室の中。
米びつやきれいに洗って乾燥させたペットボトルなどにお米を移し、必ず蓋をした状態で保存しましょう。

ご飯を洗う時もお水は冷たい方が良い

冬の寒い時だと「お米を洗う時ぐらいお湯だっていいんじゃない?」と思ってしまうかもしれません。
でもお米を洗う時も炊くときもお水は冷たい方がお米にとっては幸せです。
お湯でお米を洗ってしまうと表面だけがお湯で柔らかくなってしまうため、炊いた後にどうしても食感がべちゃっとしてしまいます。

またお湯を使うことでお米の吸水も早くなってしまうので、
お湯で洗ってしまうと洗っている間にどんどんとお米が濁った水を吸ってしまいます。
お米を洗う時もできる限り冷たいお水を使って洗うのが美味しいご飯を炊くためには大事ですね。

長時間のつけおきは冷蔵庫で

寝る前にお米を洗っておいてつけおきをするならできれば冷蔵庫内で保存をしましょう。
水温のこともそうですが、洗ったお米を長時間つけおきしていると雑菌が繁殖してしまうことも考えられます。
特に夏場は夜でも気温が高くなってしまうので、保存は冷蔵庫が基本です。

お米の旨味を足したい時には昆布を入れてみる

高給なお米のような深い味わいのご飯に近づけたいならご飯を炊くときに昆布を入れてみましょう。
お米3合に対して昆布5g程度が目安の量です。
昆布を入れることでお米が昆布のうまみ成分を吸って深みのあるおいしいご飯になりますよ。

お米の甘味を足したい時にははちみつを入れてみる

お米の甘みを足したい場合にははちみつやみりんをプラスしてみましょう。
みりんもはちみつもお米2合に対して小さじ1杯程度が目安です。
お米の甘みと共にツヤも出てピカピカときれいなご飯が炊き上がりますよ。

お酢を入れるとふっくらおいしくなる

お弁当用のご飯などに「ご飯が痛まないように」とお酢を入れて炊いている方もいますね。
お酢には殺菌作用があることはもちろんですが、お酢がお米のでんぷんの分解を促してくれるので炊き上がりが甘くてふっくらしたご飯になります。

お酢の量はお米2合に対して大さじ1杯程度が目安です。
加熱することによってお酢の匂いや酸味は消えますが、気になるという方は少し少ない量から試してみてください。

最後に

いかがでしたか。
おいしいご飯が炊ければ食事はもっと楽しくなります。
特別なことをしなくてもご飯を炊くときに氷を入れるだけでおいしいご飯になるなら今日から簡単に試してみることができそうですね。

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