現在では家電に囲まれている生活が当たり前となっていますが、以前は家電がない中で生活をしていました。ここでは、家電がなかった時の生活についてや家電の代わりに使われていた物なども紹介します。
目次
家電がない時代に使用されていた物
現在では家電を使用することでさまざまなことを行っています。しかし、家電がない時代であれば、家電が行っていること全て人の手で行われていました。そのため、現在の生活が当たり前と考えている人にとっては想像もできないような生活ではないでしょうか。次に、家電がない時代に使用されていた物を紹介していきます。人によっては分からない物も存在するのではないでしょうか。
ガスコンロやIHクッキングヒーター
調理機器として欠かすことができないガスコンロやIHクッキングヒーターですが、家電がない時代には竈が使用されていました。竈は薪などで火を起こし、食材やご飯を炊く時に使用されていました。ガスコンロの原型ともなった物であり、火加減が難しい特徴があります。ガスコンロやIHクッキングヒーターであればダイヤルやボタン一つで火加減を調整することができます。しかし、竈の場合は薪の量や風を吹き込む加減で変わってきます。
また、周りの温度によっても火力が変わりやすいです。そのほかにも薪を燃やしたあとにできる炭や灰を処分しなければならない手間が必要になります。現在では灰を活用する機会は少なくなりましたが、当時は畑などにまいて土壌改良として使われていました。
洗濯機
洗濯機は服やタオルなどを清潔にする際に欠かすことができない家電です。そのため、一家に一台設置されていることも多いです。家電がない時代であれば当然洗濯機の存在はありません。洗濯機がない時代には洗濯板とタライを使った洗濯方法が主流でした。洗濯板は日本で作られた物というイメージがありますが、原型はヨーロッパで開発され、ウォッシュボードと呼ばれていました。
洗濯板の使い方は洗濯物を洗濯板にこすりつけるというやり方であるため、腕だけではなく、足腰にも負担がかかる作業でした。洗濯板の次に開発されたのが、現在の洗濯機の原型となった手動洗濯機です。縦型の洗濯機であり、ハンドルを回すことで回転して洗濯するという仕組みです。手動洗濯機の登場で洗濯が楽になりましたが、現在のようにすすぎ機能はなかったため、手で洗濯物を絞る必要がありました。
冷蔵庫
冷蔵庫は食材を冷やしたり、凍らせたり、保管するために必要な家電であり、なくてはならない家電でもあります。冷蔵庫がない時代は食材を長期保存することができないため、必然的に数日の間に食べなければならない可能性が高いです。電気冷蔵庫が普及する前は天然の雪や氷が使用されていました。氷室と呼ばれる洞窟に氷を保存しておき、必要な時に運んでいたという歴史があります。その頃使われていた冷蔵庫は氷冷蔵庫と呼ばれています。
氷冷蔵庫は木材で作られている箱のような形で、二段に分けられています。上の段に氷を置き、下の段に食材を入れて使用します。この氷冷蔵庫は1960年代まで使用されていました。
掃除機
掃除機は部屋を掃除をする家電であり、最近では自動で掃除をしてくれる家電も販売されています。しかし、掃除機がなかった時代ではほうきやチリトリで掃除をしていました。現在でもほうきやチリトリは活躍している道具ですが、室内で使用される機会はほとんどなくなっています。昔の人は単純にほうきで掃除をするのではなく、茶殻や湿らせた新聞紙をちぎって床にまき、一緒にほうきではいていました。そうすることで小さな埃などを効率よく掃除がすることができます。
また、住宅には掃除口というものが作られており、室内の埃などをその掃除口から外に掃きだすような仕組みになっています。
エアコン
エアコンは夏や冬に室温を一定にすることができる家電であり、快適な空間を作ることができます。最近では温暖化も影響して夏場には欠かすことができない家電となっています。家電がない時代にはエアコンもなく、うちわで風を作り出していたと考えられます。また、昔と現在では住宅の作りも違い、昔は一部屋が広く、開放的な作りでした。そのため、風通しが良く、気密性も低いので、熱がこもってしまうことも少なかったと考えられます。
冬は囲炉裏などで暖を取ることができ、同時に食事を作るときにも活用されていました。
電話
電話があれば遠く離れた人とも話をすることができます。しかし、電話がない時代では、手紙での連絡が主流です。江戸時代でも電話の技術は伝わっておらず、人の足で手紙などを送り届けていました。
家電が導入されだした年代
現在ではさまざまな場所でも電気が通っており、家電を使うことができることがほとんどです。そこでいつごろから家電が導入されだしたのか気になるのではないでしょうか。戦前から電気は日本にも普及していましたが、そこまで多くの家電は生まれていません。例えば照明でもある白熱電球が作られたのは1890年です。そこからラジオや冷蔵庫、洗濯機などが製造され始めています。しかし、1930年代では憧れの家電とされており、三種の神器とも呼ばれていた家電もあります。
一般家庭にも家電が普及し始めたのは1960年代です。高度成長期でもあり、家庭の電気使用率も高まりました。電力不足を補うため、1966年に初めて原子力発電所が稼働しました。
家電が導入されたことで変化した環境
家電が導入されたことで生活が大きく変わりました。ほとんどは良い方向に変わっていますが、環境のことを考えるとそうとは言い切れません。家電を使用するためには電気が必要になり、電気を発電するためには自然の力を利用する方法もありますが、原子力など危険性がある方法も使用しています。そのほかにも使用しなくなった家電は当然廃棄されますが、埋立ゴミとして処分されることも多く、環境への影響が懸念されています。
焼却すればゴミの量を減らすこともできますが、有害な物質が放出されてしまうリスクがあり、家電がない時代と比べると環境が悪い方向に傾いていることは言うまでもありません。もちろん、家電が作られたことが全ての原因ではありませんが、一つの原因であることは確かではないでしょうか。
家電が導入されたことで変化した生活
家電が生活に導入されたことで作業が楽になっています。家電がない時代では全て手作業を行っていたことを家電に頼ることができるようになりました。また、テレビが普及したことで娯楽が増えています。家電があることで生活がしやすくなったことは間違いありません。例えば、エアコンや扇風機がなければ快適な室温にすることができず、ストレスを感じたり、苦痛に感じてしまうこともあります。しかし、エアコンや扇風機があることで快適に生活することが可能となっています。
まとめ
家電がない時代では不便な生活が強いられていたことは確実です。しかし、当時は家電がないことが当たり前であったため、不便さを感じていない可能性もあります。ただし、現在では家電がある生活が当たり前となっているため、家電のない生活を想像することができなかったり、実際そのような生活ができない場合も多いです。