「最近なんだか肩がこるな」
「前より肩こりがひどくなった気がする」
ここ数年、スマホの普及によって若い方にも肩こりに悩んでいるという方がとても増えているそうです。
つらい肩こりを治すにはどうしたらいいのか、肩こりの予防や治療はどうしたらいいのか。
今回は「肩こり」をテーマにいろいろな面から身体の悩みについてのお話しをしていきたいと思います。
目次
そもそも「肩こり」とは
皆さんは「肩こり」と聞くとどんな症状を思い浮かべますか?
肩こりは肩や首の痛みというイメージが強いですが、それ以外にも様々な症状を発症します。
でもそもそも「肩こり」とはなんなのでしょうか?
まずは肩こりの基本についてみていくことにしましょう。
肩こり=肩の筋肉の疲労
人の肩や首、背中の筋肉は頭や腕を支えるために常に緊張している状態にあります。
この緊張状態が続くと筋肉が疲れて硬くなり筋肉疲労を起こし、血管を圧迫して血液の流れがどんどんと悪くなっていくのです。
血液循環が悪くなると血行不良が起こり、酸素や栄養が筋肉に届きにくくなるので更に疲労がたまります。
その上、血管が圧迫されることによって神経がダメージを受けるためこりや痛みが出てくるのです。
これがいわゆる「肩こり」という症状として表れて身体のいろいろなところに不調を起こす原因になっているのです。
肩こりの症状は人それぞれ
肩こりと呼ばれる症状は肩や首のこり、背中の痛みだけではなく、
・倦怠感
・疲労感
・頭痛
・目の疲れ
・めまい
・はきけ
など様々な症状が出てくることがあります。
「なんとなく身体の調子が悪いな」と感じたら、それは肩こりから来る症状かもしれません。
なぜ肩こりが起こるのか
肩こりは肩の痛みだけではなく、痛みや症状は人それぞれで症状を発症する年齢も本当に幅が広いです。
また肩こりの原因もひとつではなく、人それぞれに肩こりを起こす原因は違っています。
肩こりは原因がわからないと改善することはできないので、まずは自分の肩こりの原因を知ることが大切です。
それでは次に「なぜ肩こりが起こるのか」、原因となる大きな要因を3つご紹介していきます。
肩こりの原因①生活の中で起こる肩こり
肩こりは日常の生活習慣や生活空間が原因となって起こる場合があります。
例えば
・姿勢が悪い(猫背ぎみ)
・スマホやテレビの見過ぎ
・デスクワークが長い
・いつも同じ方でカバンを持っている
・冷房の強い部屋で長時間過ごしている
・運動不足
・過労
・睡眠不足
・ストレス過多
など日常生活の中での様々な出来事が重なって肩こりが発症することがあります。
肩こりの原因②年齢による肩こり
人間の背骨の間には「椎間板」と呼ばれる骨と骨の間でクッションの役割を果たしている部分があります。
背骨は全部で24本の背骨があるのですが、この背骨と背骨の間の全てに「椎間板」が存在しています。
しかし「椎間板」は年齢と共につぶれて硬くなっていくため、これが原因で肩こりを起こす場合も出てきます。
いわゆる「五十肩」と呼ばれる肩や腕の痛みも、加齢が原因で起こる肩こりのひとつ。
人間の体の組織は加齢とともに劣化していく部分が出ていくため、加齢が原因の肩こりは避けることのできないものと言えるかもしれませんね。
肩こりの原因③病気が原因の肩こり
肩こりは生活習慣や加齢によるものだけでなく、病気が原因で起こることもあります。
貧血や血圧の病気がある場合は血液の流れが悪くなっているため肩こりを起こしやすいですし、心臓に疾患がある場合も同様に肩こりを感じることがあります。
また、虫歯があったり歯や顎に負担をかけている場合も肩こりが起こります。
「肩こりは病気ではない」と言われますが、肩こりの奥に病気が潜んでいる場合もありますので、充分に注意が必要です。
肩こりを楽にするにはこれを試してみよう
肩こりを感じていても「なかなか病院やマッサージに行く時間はない」という方も多いですね。
肩こりは短時間でパッと解消するものではありませんが、毎日のケアで少しずつ和らげることは可能です。
ここからは肩こりを感じた時に実践してみたい、家で出来る肩こり緩和術をご紹介していきます。
①肩を暖める
肩こりは肩の筋肉が血行不良を起こしている状態なので、血行促進を促すために肩回りを暖めると一気に楽になります。
40℃程度のお風呂に入って身体全体を暖めるのがベスト!
それ以外にも肩を暖める湯たんぽのようなものやお灸を使ってみるのもおすすめです。
特に冬場はタートルネックを着て首周りを冷やさないようにすることも肩こりの緩和につながりますよ。
②軽いストレッチをする
デスクワークを続けたりスマホを長時間見ていた後などは肩や首周りのストレッチをしてかたまった筋肉を動かしていきましょう。
どこでも簡単に出来るものとしては
- 手つなぎストレッチ:背中に上下から手を回して手をつなぐような形にする。
10秒程度この状態をキープしたら今度は手の上下を反対にして10秒キープ。
- おへそのぞきストレッチ:背筋をピンと伸ばした状態で頭の後ろで両手を組みます。
おへそを覗き込むように頭をぐっと倒して10秒キープ。
今度は頭をグッと背中側にそらして胸を開くようにして10秒キープ。
- 肩甲骨はがし:両肘を曲げた状態で胸をグッと開いて脇を伸ばしながらひじを肩の位置まで上げます。
肩甲骨をはがすイメージで胸をそらしながら肘を後ろに引いて5秒キープ。
肩甲骨をグッと寄せた状態で今度は肘をゆっくりと下げていく。
こちらの3つのストレッチがおすすめです。
デスクでぐっと背伸びをするだけでも肩の緊張は腰ほぐれて血がゆっくりとめぐっていきます。
トイレに行った時やお昼休みなどに毎日少しずつストレッチを行っていきましょう。
③軽い運動をする
肩こりは血行不良が原因による部分も大きいので身体を動かすということはとても大切です。
日々簡単なストレッチを取り入れつつ、休日に
・ウォーキング
・軽いジョギング
・ラジオ体操
・ヨガ
など気軽にできる運動を取り入れておきましょう。
汗をかくことで血行だけでなく代謝も良くなっていくので自然と身体の冷えも取れていきます。
水泳やエアロビクス、アクアビクスなどの全身運動もおすすめです。
ひどい肩こりは病院の受診も考えよう
生活改善をしてもなかなか治らない肩こりや日常生活に支障が出るほどの肩こりを放置しておくのは危険です。
いろいろ試してみてもやっぱり治らない時は一度病院を受診してみることをおすすめします。
でも肩こりで病院って何かを受診するの?と思うかもしれません。
ここで病院を受診する時のポイントについて確認していきましょう。
肩こりは整形外科が基本
肩こりで病院を受診する場合、まずは整形外科の受診を検討しましょう。
整形外科を受診すればレントゲンをとってくれるので、現在の骨の状態がどうなっているのかがよくわかります。
肩こりや首のこり以外にもしびれなどの症状も整形外科で診てもらえますので、他に気になる症状がなければまずは整形外科からスタートしましょう。
めまいや頭痛がひどい場合は脳神経外科も検討しよう
肩こりと共にめまいや頭痛など頭の症状が強く出ている場合には脳神経外科の受診も検討する必要があるかもしれません。
首の神経が原因で頭痛を発症していたり、血管のつまりが原因で肩こりを起こしているという場合も考えられます。
脳神経外科は脳だけでなく神経や筋肉、脊髄など様々な部分を確認して総合的に症状を判断してくれますので、特に首の痛みや頭痛がひどい方は脳神経外科に相談してみると良いかもしれません。
関節痛や発熱が伴う場合は内科の受診もあり
熱が出る時に関節痛を起こすことが良くありますが、実は風邪などの症状が原因で肩こりや首の痛みを発症する場合もあるんです。
高い熱が出なくても肩こりや倦怠感を起こす方もいますので、「ちょっと風邪っぽいかな?」とおもう症状があれば内科の受診をしてみましょう。
風邪が原因の場合には解熱剤や風邪薬を飲んで風邪症状が治まれば肩こりは治まります。
ゆっくり休んで身体の痛みや倦怠感が治るまで待ちましょう。
まとめ
肩こりについてのお話しはいかがでしたか。
肩こりは病気ではないといってもやっぱり身体が痛くて日常生活に多少なりとも支障をきたすものです。
毎日少しずつ体を動かして健康的な生活をする。
これだけでも肩こりの原因を減らすことはできるので、毎日の生活でちょっとずつ肩や首をいたわってあげましょう。