現代家電の火災対策を検証〔後編〕

電化製品は、生活に欠かせない便利なアイテムです。とはいえ、使い方や管理の仕方を間違えると、火災を招いてしまいます。財産も思い出も、命までも奪う恐ろしい火災は、絶対に防がなければいけません。この記事では、現代家電の主な火災原因や、家電火災の事例および対策を中心に紹介しています。実際の家電の使い方を思い返しながら読み進めて、家電火災を防ぎましょう。

気をつけて!どんな家電でも火災が起こる可能性がある

テレビを見たり、冷蔵庫から飲み物を取り出したりと、電化製品は生活に欠かすことができません。しかし、家電の使い方や管理を間違えると火災が起こる危険な物であるのも事実です。実際に、家電による火災件数は増加傾向にあり、死亡火災に至るケースもあるようです。家電の安全性が向上していることは確かですが「自分が使っている家電から火災が起きるわけない」という考えは改めて、家電を正しく使っていきましょう。

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現代家電の主な火災原因

現代家電の火災発生率は増えていますが、何が原因で出火するのでしょうか。ここでは、現代家電の主な火災原因を紹介します。

トラッキング現象

トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間に溜まった埃が湿気を帯びて通電することによって出火する現象のことです。すべての家電でトラッキング現象の危険はありますが、とくに冷蔵庫や洗濯機など移動させることがほとんどない家電ほどトラッキング現象による火災が多く発生しています。

漏電

漏電とは、電気設備から外に電気が漏れる事故です。漏れた電気は、湿気や水を通電して壁や床、埃に引火して火災を発生させます。漏電すると自動的にブレーカーが落ちる仕組みになっていますが、ブレーカーが落ちなくて大きな火災になった事例もあります。コンセントの差し込み口が割れて配線などが剥き出しになっている場合は、漏電する可能性が高いため注意が必要です。

ショート(短絡)

ショートとは、異なる電気が流れる配線同士が接触して火花がでる現象のことです。ショート火災は、自動でブレーカーが落ちることはなく電気が流れ続けるため、一瞬にして炎が大きくなる危険があります。劣化・損傷している電気コードや、大量の電池を1つにまとめるとショート火災が起きる可能性が高くなります。

使用上の不注意

火事といえば、火の不始末を想像する人が多いと思いますが、現代家電も使用上の不注意によって火災が発生します。たとえば、電気ストーブをつけたまま就寝したり、電子レンジで過度に加熱をしたりと、家電の誤った使い方で火災が起きてしまいます。

原因別でみる現代家電の火災事例と対策

現代家電の主な火災原因を解説しました。続いては、上記で紹介した火災原因からみる家電火災の事例と対策を解説します。火災の事例を読むと、現代家電の火災は誰にでも起こりうる事故であることがわかってもらえるはずです。

【トラッキング火災】

家電火災のなかでも、トラッキング火災の発生率は高いといわれています。では、どの家電から火災が発生したのか、トラッキング火災を防ぐためにやるべきことが何かを紹介します。

事例①:洗濯機から出火

洗濯機のコンセントから出火した火の粉が隙間に落ちていた衣類に引火して火災が発生。長年掃除をしておらず、コンセント部分に溜まっていた埃に引火したことが原因とされる。

事例からみる対策

洗濯機は、移動させることもコンセントを抜き挿しすることもほとんどありません。そのため、掃除をしないと埃が溜まってしまいます。また、洗濯機が置かれる場所は湿気が多いため、トラッキング火災が発生しやすい環境とされています。洗濯機周辺は、定期的に掃除をして埃を取り除くことが大切です。掃除をすると、隙間に落ちた衣類を回収することができて、火災のリスクを下げることにも繋がります。

事例②:テレビから出火

テレビやレコーダーなど複数の機器を繋いだ電源タップをテレビボードの下に置いていたことにより、電源タップに埃が溜まってトラッキング火災が発生。

事例からみる対策

テレビ周りをすっきりさせたくて、見えない位置に電源タップを隠したい気持ちはわかりますが、テレビボードの下などの隙間は埃が溜まりやすい場所です。定期的に掃除をして、埃がない状態にしておくことがトラッキング火災を防ぎます。

【漏電による火災】

続いては、漏電による火災事例と対策を解説します。

事例①:壊れたコンセントから出火

コンセントカバーが破損した部分から漏電し、火災が発生。

事例からみる対策

掃除や模様替えをした際に家具や家電がぶつかって、コンセントカバーが破損するケースはありますが、カバーに亀裂や破損があるコンセントは、いつ漏電火災が発生してもおかしくない状態です。火災だけではなく、感電事故が発生する可能性もあるため、コンセントカバーが破損した場合は、すぐに取り替える必要があります。

事例②:エアコンから出火

エアコンを稼働させた途端に吹き出し口から黒煙が発生した直後に発火。エアコンのプラスチック部分に引火して、火の勢いが増す火災が発生。エアコン内部に溜まりすぎた水が基盤に触れたことが火災の原因とされる。

事例からみる対策

エアコンは、冷風・温風を送る過程で水が発生することから、内部はとても湿気が多いです。また、エアコン内部で発生した水を溜めるドレンパンのそばには、エアコンを制御する電気回路が組まれた基盤が設置されており、故障がきっかけで漏電する可能性があります。とはいえ、定期的に点検を行って問題ないエアコンであれば、漏電火災が起きることはありません。

【ショートによる火災】

電気設備や配線の劣化や損傷によるショート火災が多発しています。なにが原因で家電がショートするのかを事例から確認してみてください。

事例①:劣化した電源コードから出火

電源プラグの根本に亀裂が入っており、剥き出し状態のプラスとマイナスの配線が接触したことによるショート火災。プラグの根本を持ってコンセントの抜き挿しをしていなかったことにより、絶縁体に亀裂が生じたことが原因。

事例からみる対策

電源コードは、漏電を防ぐために配線の周りを塩化ビニールなどの絶縁体で保護されています。しかし、コードを強引に引っ張ったり押し曲げると絶縁部分に亀裂が入り、電気が流れている配線が剥き出しになってショート火災に繋がります。

・プラグの根本を持ってコンセントの抜き挿しをする

・電源コードの上に重い物を置かない

・電源コードの長さは余裕を持たせる

上記の点を守ることで、電源コードの劣化や損傷を防ぐことができるはずです。

事例②:ボタン電池から出火

ボタン電池を保管していた棚から出火。ボタン電池を重ねて保管していたことにより、プラス極とマイナス極が触れたことが出火の原因。

事例からみる対策

ボタン電池や乾電池には電気が貯められており、プラス極とマイナス極が重なると電気が発生します。事例の場合は、複数の電池を1箇所に雑にまとめて保管していたことで、プラス極とマイナス極が重なって火花が飛び火災に至ったと考えられます。見た目は小さな電池ですが、出火すると大きな火災になる可能性があります。一度、電池の保管方法を見直してみてはいかがでしょうか?

【使用上の不注意による火災】

ここまでは、家電や電気設備が原因で発生した火災事例を紹介してきましたが、家電の誤った使い方や不注意でも家電火災は発生します。普段の家電の使い方を振り返りながら、以下の火災事例を読んでみてください。

事例①:電子レンジから出火

電子レンジで加熱中の食品から出火。原因は、目安時間を大幅に超えて加熱したことにより食品から出火。

事例からみる対策

電子レンジは、食品にマイクロ波を照射することで加熱する仕組みです。マイクロ波を当て続けると、次第に食品は炭化して最終的に出火にいたります。食品のパッケージに表記されている加熱時間の目安を守って、電子レンジを正しく使うことが火災の防止に繋がります。

事例②:電気ストーブから出火

電源が入った状態の電気ストーブが倒れたことに気づかずに放置したことで、カーペットから出火。

事例からみる対策

種類によりますが、電気ストーブの表面温度は300℃〜900℃と非常に高く、紙や布だけではなくプラスチックなども簡単に燃やしてしまいます。電気ストーブは、必ず立てた状態で管理することや、使わないときは必ずコンセントを抜くように習慣づけることで火災を防ぐことができます。

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まとめ

現代家電は、生活を便利にする一方で、誤った使い方や管理をしていると火災を招いてしまいます。定期的な家電の点検と、家電周辺の掃除を習慣づけて、家電火災を防ぎましょう。また、家電を使うなかで異常を感じた場合は、直ちに使用を中止して修理や買い替えを検討することが必要です。「もしかすると火事になるかもしれない」という危機意識を持って、安心・安全に家電を使ってみてください。

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