調整でテレビの画質は向上することを知っていますか。テレビを選ぶポイントとしてよく耳にするのが「高画質」です。「高画質」のテレビを「買ったまま」の状態で見ている方は多いのではないでしょうか。「高画質」のテレビであっても「買ったまま」の状態では100%の能力が発揮されていないことがあります。
つまり、テレビのポテンシャルが最大に発揮されていない映像を見ていることです。それではせっかくの「高画質」を買った意味が薄れるでしょう。そこで自宅にあるテレビが持っている本来の映像を発揮するために基本的な画質調整の仕方を解説します。
目次
テレビを「買ったまま」の状態で見ているのはなぜ?
調整でテレビの画質は向上することを知らないからなのでしょう。また知っていてもテレビの画質のことをよく理解してないからなのでしょうか。
テレビの画質とは
画質は、画像や映像の品質を表す言葉です。画質は「解像度」、「ノイズ」、「色彩」、「コントラスト」、「滑らかさ」などのさまざまな要素から決まります。解像度が高いと、画像や映像は鮮明で美しく、解像度が低いと、画像や映像はぼやけたり、色が濁ったりすることがあります。
画質:解像度とは
解像度は、画像や映像の表示精度を表す指標で、画素数やドット数で表されます。つまり、画像や映像の中にどれくらい点が詰まっているのかを示す密度のこと。あるいは画像や映像が何個の点でできているのかの画素数のことです。
例えば、画像の解像度が1920×1080である場合、その画像は縦に1080画素(ピクセル)、横に1920画素(ピクセル)の解像度を持っています。 解像度が高いほど、点が多くなり情報量が増えるため画像や映像は細部まで美しく再現されます。
画質:ノイズとは
画質のノイズは、画像や映像に現れる雑音のことを指し、画像や映像に乱れを生じ、画質を劣化させることがあります。 雑音は、さまざまな要因で生じることがあり、例えば、画像や映像を圧縮する際にも雑音が生じることがあります。
画質:色彩とは
画質の色彩とは、画像や映像が持つ色の豊かさや美しさを指します。画質の色彩には、色相(色味の違い)、彩度(色の鮮やかさ)、明度(色の明るさ)などが含まれます。色彩が鮮やかで豊富な場合は、立体感・奥行き感のある映像を再現しやすくなり魅力的です。逆に、色彩が薄く、色が抜けている画像や映像は、魅力に欠けるでしょう。
画質:コントラストとは
画質のコントラストとは、画像や映像において、明るい部分と暗い部分の差のことです。コントラストが高い画像や映像は、明るい部分が鮮明に見え、暗い部分もはっきりと見えます。逆に、コントラストが低い画像や映像は、明るい部分と暗い部分の差が小さくなり、画像や映像全体が柔らかくなり、鮮明さが欠けます。
画質:滑らかさとは
画質の滑らかさとは、画像や映像の表示精度や、ぼやけ具合に関する指標で、滑らかな画像や映像は、細部やエッジがよく見え、粗さやぼけが少なく、美しい映像です。逆に、滑らかでない場合は、細部やエッジが曖昧で、粗さやぼけが多く、美しい映像にはなりにくいでしょう。滑らかさは、画像や映像の解像度、画素の大きさ、ぼかし処理などによって影響を受けます。
高画質とは
高画質とは、画像や映像が鮮明でキレイなことです。画像や映像の解像度、色あい、シャープネス、動画のフレームレート、ビットレートなどが高次元であることが条件と言えます。解像度が高いほど、細部をより美しく表現でき、色あいが鮮やかで正確なほど、美しい画像や映像が得られます。
シャープネスが高いほど細部が鮮明で立体感があり、動画の場合は、フレームレートが高いほど、動きがスムーズで美しい映像が得られるでしょう。高ビットレートほど映像の情報量が多くなり、結果として鮮明で美しい映像が見られます。
調整でテレビの画質は向上する方法とは
「調整でテレビの画質は向上する」と言われています。ではどのように調整するのでしょう。ここでは具体的な調整項目についてみていきましょう。調整でテレビの画質を向上するには以下のような項目の調整が必要です。
- バックライト
- 黒レベル
- 白レベル
- 色の濃さ
- 色あい
- シャープネス
画質は向上する:バックライト調整
バックライトとは、画面の背後に設置された光源のことです。バックライトの調整は液晶テレビに限定されます。まずは周りの光の強さに応じて、バックライトの光量の調整をしましょう。具体的には部屋の明るさに応じて、画面の映像の光をまぶしいと感じる程度にバックライトの光量を弱く調整します。
つまり、バックライトが暗くなるように調整するのです。画面がはっきり見えないほどの直射日光に当たる場合は、バックライトを明るく設定しましょう。バックライトを明るく設定すると電気代が高くなるため、なるべく暗く設定できるように直射日光を避ける工夫をするとよいでしょう。
画質は向上する:黒レベル調整
映像の暗い部分の明るさを調整するために黒レベルの調整が必要です。黒レベルの調整が暗すぎると映像の暗い部分のエッジが失われ真っ黒になって平面的な映像になります。逆に明るすぎると映像の暗い部分が明るくなりすぎて、コントラストの弱い立体感のない映像になるでしょう。
黒レベルの調整で大切なのが、映像の暗い部分のエッジが薄れて見えなくなる一歩手前まで暗く設定することです。この設定により、映像の暗い部分が失われることが防げてコントラストの強いダイナミックな映像にできます。
画質は向上する:白レベル調整
映像の白い部分の明るさを調整するために白レベルの調整が必要です。空に浮かぶ雲をクリアな映像にするためには、白レベルを明るく設定しましょう。そうすると明るい部分と暗い部分の差がつきクリアな映像になります。
ただし、画面内に太陽など明るすぎるものが入っている場合は、太陽の存在を無視して白レベルを暗くなるように調整しましょう。白レベルの調整で大切なのが、映像の白い部分のエッジが薄れて見えなくなる一歩手前まで明るく設定することです。
画質は向上する:色あい調整
色あいは出荷時に中央値で設定されているので、基本的には調整はしない方がよいでしょう。色あいは、自然に見えるように調整すると考えればOKです。人間の肌色を正確に表現できるように赤色方向や緑色方向に調整するということです。
画質は向上する:シャープネス調整
シャープネスは、画像や映像の立体感や鮮明さを表します。シャープネスを強く設定すると画像や映像は、輪郭などの細部まで鮮明で解像度が上がったような映像になり、立体的に表現されます。しかし、これは映像をスッキリ見せるための輪郭の補正によるものです。つまり、シュートと呼ばれる輪郭線を加えて実現していることで、テレビが作り出したものであって調整ではないと言えます。
シャープネスを弱く設定すると、細部がぼやけて立体感が薄く表現された映像です。シャープネスの調整で大切なのが、輪郭がはっきりしている映像を使って、シャープネスを最小にし、白や黒の輪郭線が見えるところまでシャープネスを上げることです。そして今度は輪郭線が見えないところまでシャープネスを下げましょう。
まとめ
「調整でテレビの画質は向上する」と言われていることが納得できたのではないでしょうか。今回紹介した画質を向上させる調整は基本と言えます。細かくはもっと具体的な調整があるようです。しかし、調整せずに「買ったまま」の状態よりははるかに画質がよく
なるでしょう。自宅にあるテレビを調整して、鮮明で臨場感があふれるような迫力のある映像を楽しみませんか。