食品の温めや調理で電子レンジを活用していると思いますが「商品に書かれているワット数と使っている電子レンジのワット数が違う!」という経験がある人は多いのではないでしょうか。また、電子レンジのタイプによって加熱方法や加熱時間は違います。この記事では、電子レンジを上手に使うための火力と加熱時間について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
電子レンジの火力とは?
電子レンジの火力と加熱時間の関係性を知る前に、電子レンジの火力について解説します。電子レンジで食品が温まる仕組みや、電子レンジの火力の意味がわかるはずです。
電子レンジで食品が温まる仕組み
電子レンジで食品が温まるのは、電気が放つ電波の性質を利用しているからです。電波は水分を持つ物に吸収されやすく、なおかつ吸収される際に熱を発生させます。この電波の性質を利用しているのが電子レンジであり、食品の解凍や温めができるのです。
電子レンジの火力はワット数のこと!
上記で、電子レンジは電波の発熱作用を利用して食品の解凍や温めを行っていると解説しましたが、電子レンジの火力は電力量を表すワット(W)数のことを指します。一般的な家庭用電子レンジは500W〜1300W程度がほとんどであり、ワット数が大きくなるほど電波が強く、食品を温める効果も高くなります。
ワット数が大きい電子レンジほど調理の幅が増えるため、日頃から料理をする方であればワット数が大きい電子レンジがおすすめです。しかし、ワット数=消費電力であり、ワット数が大きい電子レンジほど電気代が高くなる傾向があります。
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電子レンジの機能で変わる加熱方法の違い
ひとくくりに電子レンジといっても、オーブンやグリルといった機能があります。実は、電子レンジの機能によって加熱方法は変わります。電子レンジを上手に使うためにも、機能ごとの加熱方法を覚えておきましょう。
電子レンジ
電子レンジの加熱方法は、電波を当てられた食品が持つ水分が摩擦することで発生する熱を利用しています。電波が大きい(=消費電力が大きい)電子レンジほど温度が高くなるため、さまざまな調理で使うことができます。
オーブンレンジ
オーブンレンジの加熱方法は、食品が持つ水分の摩擦熱を利用した温めではなく、電子レンジ内部全体の温度を高めることで食品を焼いています。電子レンジの内部にヒーターやファンが付けられており、全体を一定の温度に保つことができるため、食品をムラなく焼くことができるのです。
レンジグリル
レンジグリルの加熱方法は、オーブンレンジと同じヒーターやファンを使って焼いています。しかし、オーブンレンジと違う点は、レンジグリルがより焼きに特化していることです。オーブンレンジは、電子レンジ内部の温度を高めて、食品全体を加熱するように焼きます。一方でレンジグリルは、上下のヒーターで食品の表面を焼く(=炙る)ことができます。食品に焼き目を付けつつ温めたいときなどに使える機能です。
スチームレンジ
電子レンジは温める機能であり、オーブンやグリルは焼く機能ですが、スチームレンジといって蒸す機能が付いている電子レンジがあります。スチーム(=蒸気)機能を使う場合は、水を入れた専用の容器を食品と一緒にレンジで温めます。容器に入った水が電波によって蒸発をはじめるため、電子レンジで食品を蒸すことができるのです。
解凍レンジ
電子レンジは、食品を温めるだけではなく、解凍することができます。電子レンジの温めと解凍の基本的な加熱方法は同じですが、液体の水に比べて氷の分子の結合は強いため、同じ周波数の電波を当てても氷が液体に戻ることはありません。実際に、電子レンジの温めと解凍では同じ周波数を用いています。しかし、電子レンジで解凍する際は、温める時より低い電力で電波を断続的に当てることで、凍った食品を解凍しているのです。
電子レンジのワット数の換算式
電子レンジの基本的な仕組みと加熱方法がわかったと思いますが、電子レンジを使うなかで「商品に書かれているワット数と使っている電子レンジのワット数が違う!」という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。一般的な家庭用電子レンジは、500W〜1300Wで作られているため、商品に記載されている指定の電子レンジではないケースはよくあります。だからといって、電子レンジが使えないわけではありません。電子レンジの加熱時間を調整することで、きちんと温めや解凍機能を使うことができます。ここでは、電子レンジの火力と加熱時間の換算式を解説します。
①加熱に必要な熱量を割り出す
冷凍食品などには「500Wの電子レンジで1分間加熱してください」という指定がされていますが、お使いの電子レンジのワット数が異なる場合は、加熱時間を変える必要があります。しかし、正確な加熱時間を割り出すためには、加熱に必要な熱量(J/ジュール)を算出しなければいけません。まずは、以下の計算式で熱量を割り出しましょう。
【熱量を割り出す計算式】 ワット数×加熱時間=加熱に必要な熱量
たとえば、500Wの電子レンジで1分間の加熱が必要な場合は、500×60秒=30000ジュールが加熱に必要な熱量になります。
②商品の指定と異なる電子レンジで正確な加熱時間を割り出す
商品の加熱に必要な熱量を割り出すことができたら、お使いの電子レンジの正確な加熱時間を割り出します。計算式は、以下の通りです。
【加熱時間を割り出す計算式】 加熱に必要な熱量÷お使いの電子レンジのワット数=正確な加熱時間
たとえば、お使いの電子レンジが1000Wの場合は、30000ジュール÷1000W=30秒が正確な加熱時間となります。商品に指定されている電子レンジより、ワット数が小さい電子レンジを使っている場合でも、同じ計算式で正確な加熱時間を割り出すことができます。
商品が指定しているワット数と異なる電子レンジを使う場合は、事前に加熱時間を計算しておくと「加熱しすぎて商品がダメになった…」といった失敗を防ぐことができるはずです。
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電子レンジを上手に使うポイント
電子レンジは、単に食品を温めるだけの製品ではありません。電子レンジを上手に使うと、美味しい料理を作ることができたり、面倒な調理が楽にできるようになります。ここでは、電子レンジを上手に使うポイントを紹介します。
ポイント①:取扱説明書を読む
電子レンジは、種類によってワット数が異なります。また、温めや解凍だけではなく、グリルやオーブン、スチームといった機能の違いで、使い方や加熱時間が変わります。そのため、お持ちの電子レンジの取扱説明書をしっかりと読むことが大切です。
取扱説明書には、電子レンジの機能や加熱時間であったり、電子レンジのお手入れ方法がわかりやすく書かれています。新しい電子レンジを使う前だけではなく「電子レンジで◯◯を作るにはどうすればいいんだろう?」と悩んだときに読むこともできます。
ポイント②:電子レンジのタイプを把握する
電子レンジには、ターンテーブル付きのタイプと、ターンテーブルが付いていないフラットタイプがあります。ターンテーブルの有無で電波の当たり方が異なることから、ムラなく加熱するために食品を置く位置が変わります。
【ターンテーブル付き電子レンジ】
ターンテーブル付きの電子レンジは、上部から電波が放出されており、ターンテーブルが回転することで食品をムラなく温めてくれます。そのため、食品はターンテーブルの中央ではなく端に置くことでまんべんなく食品が加熱されます。
【フラットタイプの電子レンジ】
ターンテーブルが付いていないフラットタイプの電子レンジは、レンジ内部で電波が乱反射する構造になっているため、レンジ中央部分に食品を置くと、ムラなく加熱することができます。
ポイント③:ラップやクッキングシートを使う
電子レンジで食品を加熱する際は、ラップやクッキングシートを上手に使いましょう。ラップを使うと熱が逃げにくくなり、時間をかけずに食品を温めることができます。またクッキングシートを使うと、余分な水分や油を吸収してくれたり、クッキングシートを濡らして使うことで、食品の乾燥を防ぐこともできます。このように、ラップやクッキングシートを上手に使うと、電子レンジで美味しい料理を作ることができます。
とはいえ、必ずしもラップやクッキングシートを使う必要はありません。電子レンジによっては、ラップやクッキングシートの使用ができないタイプがあります。きちんと取扱説明書を読んだ上で、お持ちの電子レンジを上手に使ってみてください。
まとめ
電子レンジで食品が温まる仕組みや、電子レンジの火力と加熱時間を中心に紹介しました。電子レンジによって火力(=ワット数)は違いますが、食品の温めに必要な熱量を算出することでどんな食品でも加熱することができます。今回紹介した電子レンジのワット数の換算式を参考にして、お手持ちの電子レンジを上手に活用していきましょう。